『アンソーシャルディスタンス』 金原ひとみ著 感想、レビュー・あらすじ

レビュー

本記事は金原ひとみ著『アンソーシャルディスタンス』の書評です。

本書は5つの短編集で構成されている。話が繋がってないので、どこからでも見ることが可能だ。

全てに共通しているのは、男女のカップルの話だ。しかし綺麗な幸せな恋愛本ではない!

メンヘラやあらゆる依存症が出てくる。アラコール依存、整形依存、セックス依存。あらゆるヤバいカップルの図鑑として見る感覚。自分の身に起きるのは嫌だが、怖いもの見たさで見るような小説だ。

興味が湧きませんか?

目次

『アンソーシャルディスタンス』あらすじ

心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、ストロングゼロに頼る女。年下彼氏の若さに当てられ、整形へ走る女。夫からの逃げ道だった、不倫相手に振り回される女。推しのライブ中止で心折れ、彼氏を心中に誘う女。恋人と会えない孤独な日々で、性欲や激辛欲が荒ぶる女――。絶望に溺れて掴んだものが間違っていたとしても、それは、今を生き抜くための希望だった。女性たちの疾走を描く鮮烈な五編。

新潮社HPより引用

『アンソーシャルディスタンス』著者について

1983(昭和58)年、東京生れ。2003(平成15)年、『蛇にピアス』ですばる文学賞。翌年、同作で芥川賞を受賞。2010年、『TRIP TRAP』で織田作之助賞、2012年、『マザーズ』でドゥマゴ文学賞、2020(令和2)年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、2021年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞、2022年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞を受賞。著書に『アッシュベイビー』『AMEBIC』『ハイドラ』『持たざる者』『マリアージュ・マリアージュ』『軽薄』『fishy』『デクリネゾン』『腹を空かせた勇者ども』、エッセイに『パリの砂漠、東京の蜃気楼』などがある。

新潮社HPより引用

『アンソーシャルディスタンス』感想

POINT1 人が狂っていく様を見れる

平凡な日々を過ごしている私から見たら、登場人物全員狂っている。どういう人生を歩んだらそこまで何かに依存していくのかわからない。しかし人が狂っていくきっかけは些細なものでしかない。明日は我が身なのではないか?と思わせてくれる小説だった。もし何かのきっかけで依存が高まってきたら、もう一度読み直して地に足をつけようと思う。人は簡単に何かに依存し狂っていくことを肝に銘じよう。

POINT2 コロナ禍の事を思い出せる

本書ではコロナ禍で話が進んでいく章もある。コロナ禍は現代で生きている人間にとっては未曾有の恐怖だった。今考えればとてつもなく異常な日々だった。人との接触を制限され、色んな娯楽や飲食店が制限され日常が崩れていく感覚を皆感じただろう。今となっては、普通に過ごしていてコロナ禍の恐怖など忘れている。しかし、コロナ禍を経て自分の生活を見つめ直した人も多いだろう。飲み会が実は嫌だったから良かった。家族との時間が増えて幸せを感じれた。パートナーとの時間が増えて苦痛だった。色々何かしら考え直すきっかけにはなったのではないだろうか。またウイルスに怯える日々を過ごしたくはないが、自分にとって大切なものは何か?というのは常々考えていきたい。

POINT3 このクソ公害のゴキブリが!

嘘だろ。どの媒体でも見聞きしたことのない文章が本書にはある。他にもこんなの世に出していいのか?と思う文章が多々ある。何故かは知らんが「気持ちいい〜」と思って読んでいた。別に共感する内容ではなかったが、この文章「気持ちいい〜」が結構あった。スッキリする。怒りという感情をなんのオブラートにも包まず投げつけるのが気持ちよかったのだろうか。是非本書を読みスカッとして欲しい。逆に汚い言葉が嫌いな人にはおすすめしない。

『アンソーシャルディスタンス』感想まとめ

色々な依存症が出ると言ったが、本書自体も又読みたくなる依存性がある。登場人物誰かには共感できる部分がきっとあるだろう。是非本書を読み、家族やパートナーと平凡な日々を過ごしている人たちはそれがどれだけ幸せなことか噛み締めてほしい。

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