一気読みとはこの小説の為にあるのではないか。そう思わざる得ないくらい一気に読み上げた。
精神疾患を元にしたホラー要素たっぷりのミステリー小説。
誰が異常者で誰が正常なのか。著者に騙され続けること間違いなし。
ミステリー初心者にもおすすめの作品だ。
目次
『シャドウ』あらすじ
人は、死んだらどうなるの?――いなくなって、それだけなの――。その会話から三年後、凰介の母は病死した。父と二人だけの生活が始まって数日後、幼馴染みの母親が自殺したのを皮切りに、次々と不幸が……。父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは? いま最も注目される俊英が放つ、巧緻に描かれた傑作! 本格ミステリ大賞受賞作。解説=新保博久
東京創元社HPより引用
この幼馴染の母親の自殺の真相を巡って物語が展開していく。要所要所に散りばめられた謎にページを捲る手が止まらない。
『シャドウ』著者
975年東京都出身。2004年、長編『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。05年に発表した第2長編『向日葵の咲かない夏』で第6回本格ミステリ大賞候補、短編「流れ星のつくり方」で第59回日本推理作家協会賞候補に選出され、一躍脚光を浴びる。物語性豊かな作品世界の中に伏線や罠を縦横に張り巡らせる巧緻な作風を持つ。07年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞、09年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、10年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞、『光媒の花』で第23回山本周五郎賞、11年『月と蟹』で第144回直木賞を受賞。他の著書に『貘の檻』などがある。
『シャドウ』感想
POINT1 確証バイアスの餌食に
確証バイアスとは自分の信念や仮説を支持する情報ばかりを集め、反対する情報を無視、軽視してしまう心理的な傾向のこと。結果、物事に誤った判断を下してしまう。
本書では、例えば「女性ドライバーは運転が下手だ」という思い込みを持つ人は、運転の下手な女性ドライバーばかり目につき、逆に、上手に運転している女性ドライバーの存在は目に入らない。と書かれている。ここまで優しく説明してくれているのに、私は思いっきり確証バイアスっていた。事件の真相を知った時に「まさか君が?」と唖然としてしまった。無意識のうちに関係ないと決めつけていたのだろう。
この展開は間違いなく著者の策略に嵌っていると思っている。
POINT2 秘密・謎が多い
登場人物自体は少ないが、皆んな秘密が多い。大体有耶無耶にされるか無言になり話が進む。「そこを秘密のままにされたら気になって寝れないだろ!」となり、結局夜更かしして読んでしまった。謎が謎を呼び読む手が止まらない。ミステリー小説の醍醐味を味わえる作品だ。
POINT3 ホラー要素
精神疾患の話なので怖い描写が結構有る。映画のシャッターアイランドのような世界観だ。読んでいくと誰が精神に異常をきたしているのか分からなくなってくる。誰が異常で正常なのか。幼馴染の母親は自殺なのか?他殺なのか?謎が尽きない。
表紙になっている絵の意味もわかると怖い。題名になっている『シャドウ』にもしっかりと意味がある。ホラー要素満載のミステリーを是非読んでほしい。
『シャドウ』感想まとめ
とにかく読む手が止まらなかった一冊だ。展開が気になりミステリー小説に馴染みのない人にもおすすめの小説。謎を解きながら読み進めてほしい。確証バイアスの餌食にはならぬように。


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