断言しよう。この本は2度読まなければならない。
1回目読み終えた後「クソ!著者に嵌められた!」という悔しさと「なんて考え抜かれた展開なんだ」という2つの感情が押し寄せてきた。その後すぐ、ということは2回目読んだら全く違う作品として読めるのではないか?という思いに駆られすぐ2回目を読むことになる。
ミステリーの真骨頂を味わいたい方は本書を手に取るべきだ。
目次
本書が向いている人
ミステリー初心者から玄人まで全員におすすめしたい。読み終わった後に唸ること間違い無しだからだ。
また、日々に希望や活力を見出せない人にも読んで欲しい。「なんでもやってやろう屋」を自称する成瀬正虎の言葉に勇気をもらえることだろう。
あらすじ
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして——。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。
文藝春秋HPより引用
著者について
1961年千葉県生まれ。東京農工大卒。’88年、島田荘司氏の推薦を受け『長い家の殺人』でデビュー。2004年に『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫)で第57回日本推理作家協会賞を受賞。『ROMMY 越境者の夢』『死体を買う男』『放浪探偵と七つの殺人』『安達ヶ原の鬼密室』『新装版 長い家の殺人』『新装版 白い家の殺人』『新装版 動く家の殺人』(以上、講談社文庫)、『魔王城殺人事件』『密室殺人ゲーム2.0』(ともに講談社)、『ハッピーエンドにさよならを』(角川書店)、『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』(光文社)、『絶望ノート』(幻冬舎)など著書多数。
AmazonHPより引用
本書の魅力は?
実写化不可能
本書は視覚からの情報をシャットダウンしなくてはならない。聴覚からの情報もシャットダウンしたい為Audibleなどのポットキャストでも再現不可能だろう。要するに本でのみ味わえる作品なのだ。その真相は読破後に分かるだろう。
完全に騙される
小説の冒頭より騙される。騙され続ける。クソッタレ!無意識な固定概念を取っ払わなければ著者の策略にまんまと嵌められる。種明かしが行われていく終盤では理解が追いつかず頭がおかしくなる。前ページに戻り読み返し騙されていたことに気づく。騙された悔しさと賞賛が入り混じる複雑な感情であった。
正義のヒーローではない
主人公の成瀬将虎は序盤からセックスをしている。出会い系で出会った女性とだ。その女性との別れ際お金を払い、車から女性が降りると「売女!淫売!」と叫ぶ。こんなやつが主人公?なかなかのクズ野郎だ。彼の一連の行為には賛否両論あるかもしれないが、私自身は「何でも屋」ではなく「何でもやってやろう屋」を自称する彼の行動力が大好きだった。
最後には明日への希望が
未来や明日への希望が見出せない。そんな方には絶対に読んで欲しい。終盤、成瀬将虎の言葉に刺激を受ける人は多いだろう。本書はミステリーでありながら人生の楽しみ方を思い出させてくれる。日々に飽き飽きした人は必読だ。
まとめ
ミステリーの構成の素晴らしさは文句なしだろう。私自身それよりも明日への希望を多く感じられたことが大きかった。私もこれから「何でもやってやる」


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