ようこそ、ヒュナム洞書店へ ファン•ボルム著 牧野美香訳

ヒューマンドラマ

こんなにも人の苦しさに寄り添い、勇気付け、温かい気持ちになれる小説に出会った事がない。

こんなにも幸せな気持ちになれるならもっと早く出会いたかった。人生に悩み苦しんだ時は必ずまたこの小説を読もう。そう思わせてくれた大好きな小説。

書店で交わされる互いの距離感を保てる人同士の友情と緩やかな連帯、思考、思いやりと親切、素直で深みのある会話。

小説のどこかにあなたを助けてくれる1文が必ずある。

私も心を軽くしてもらった一人だ。

目次

本書が向いている人

仕事のこと。家族との距離感のこと。学校のこと。他の人にどう思われるかを基準に考えていること。幸せについてのこと。

どれか一つにでも苦しさや悩みを持っているなら、是非本書を取ってほしい。

必ずあなたの心を軽くしてくれる文章がある。

あらすじ

ソウル市内の住宅街にできた『ヒュナム洞書店』。会社を辞めたヨンジュは、追いつめられたかのようにその店を立ち上げた。書店にやってくるのは、就活に失敗したアルバイトのバリスタ・ミンジュン、夫の愚痴をこぼすコーヒー業者のジミ、無気力な高校生ミンチョルとその母ミンチョルオンマ、ネットでブログが炎上した作家のスンウ……。
それぞれに悩みを抱えたふつうの人々が、今日もヒュナム洞書店で出会う。

集英社HPより引用

著者について

小説家、エッセイスト。大学でコンピューター工学を専攻し、LG電子にソフトウェア開発者として勤務した。転職を繰り返しながらも、「毎日読み、書く人間」としてのアイデンティティーを保っている。
著書に『毎日読みます』、『生まれて初めてのキックボクシング』、『このくらいの距離がちょうどいい』がある
(いずれもエッセイ、未邦訳)。本書が初の長編小説となる。

集英社HPより引用

本書の魅力は?

幸せはそう遠くにあるわけじゃない

本書で私がこれからも大事に心にしまっておきたい1文です。

幸せは一生涯をかけて叶えるものだと思っていました。長く努力し続けた先に掴んでこそなのだと。しかし、その考え方に疑問を覚えている自分もいました。

書店の店主であるヨンジュが昔、残業続きで飲んだ立ち飲み屋のビールが極上の味だったというエピソードを話し、「幸せはそう遠くにあるわけじゃない」と私に教えてくれた。

あなたにも必ず心に刻みたい文章に出会えることだろう。

自分だけが苦しいんじゃないと気づける

様々な環境で大なり小なり苦しさを抱えている人たちが登場する。自分だけが苦しいんだと思ってたけど、実はあの人たちも苦しんでるんだな。そう思えるだけで心が不思議と軽くなる。

労働に対する事。学校に対する事。家族との距離感との事。他の人にどう思われるかを基準に考えている事。

必ず自分と同じ苦しさを持っている人がいる。そしてその人達がその問題にどの様に考え生きていくかを読み、自分はどう生きていくかを考えれる。大事なのは自分の心に正直になることだと本書が寄り添ってくれる。

少しずつ読める。

社会人になると、本を読む時間がとにかく削られる。仕事や育児に時間を取られすぎる。

本書は364ページあるが、40の章から構成されている。一つ一つの章で区切って読むことができる。そして必ず温かい気持ちになれる。1日2章読むだけでも十分だろう。私は「あなたを応援します」という章を何度も読み、心安らかに幸せに生きている。

まとめ

人生に悩み、苦しむことがあったらこの小説に戻ってこよう。苦しくても、それでも生きていこう。光を探して生きていこう。そんな強くも温かくもある小説を是非。

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